『最遊記歌劇伝』シリーズ終幕によせて。

15年前の初公演から最後まで出演を続けて下さった鈴木拡樹さん、椎名鯛造さん、唐橋充さん。とにかくこの御三方ありきで『最遊記歌劇伝』は走り続けられておりました。
3作目の『God Child』から脚本・演出の三浦香さんと作曲の浅井さやかさん、その他支えるスタッフ陣も一新し、レギュラーの役者陣にも藤原祐規さんや鮎川太陽さん、うじすけさん、三上俊さんが加わって下さり、現在に至るカンパニーの地盤が固まっていったように思います。
それ故に、皆様それぞれの活躍も目覚ましく、年月を重ねるごとに「全員が揃った状態で舞台を立ち上げる事」がスケジュール的にかなり困難になってゆきました。次の企画だけは立っていてもそれがなかなか実現できず、決まったと思った矢先にまた予定がバラされてしまう…という事が幾度となくありました。
報告を受けるだけの原作者はハラハラしながら看守る事しか出来ませんでしたが、役者陣・製作陣の皆様は本当に大変だった事と思います。
言いたい事は山程ありますが、パンフの方にもコメントを書いたので、一旦ここまでとさせていただきます。
まだ円盤の発売も控えてますし、大千穐楽のあとにみんなで「何かできたらいいねぇ」とか色々話してたので。
【公演配信】
『最遊記歌劇伝-外伝-』大阪大千穐楽10月23日(月) 18:00公演
【視聴URL】https://live.nicovideo.jp/watch/lv342633922
【タイムシフト視聴期間】~2023年11月6日(月) 23:59まで
<チケット価格>
チケット販売ページ:https://dwango-ticket.jp/project/hMvrkaiLH1
3,100円(税込)※サービス⼿数料 310円(税込)
ですが今回、歌劇伝ラストという事、また関係者を始めとしてお客様からもサイン会等で「感想をまた書いて欲しい」とご要望いただいたりした事から、開き直って久々に描き散らかします。
↓↓↓
▪︎出だしの、満開の桜の下で何も起きずにただ淡々と時間が揺蕩ってゆく感じ、安穏として退屈な天界を表現されてますね
▪︎公演中にもどんどん自然体になっていった平井捲簾、柄シャツ&チンピラ口調なのにどこか育ちの良さも滲むいいアンチャン感
▪︎観音の歌声の力強さと美しさ、まさに菩薩(あの体勢であの声量とか腹筋どうなってるの)
▪︎『聞き心地の良い完璧なナレーション』をこなしておいて、自分の仕事のターンじゃない時は大アクビしてゴロ寝で本読みだすマイペースな天蓬元帥の最高解像度
▪︎OPで踊る第一小隊と第二小隊の隊服の黒vs白、陰陽の太極感も表現されててよかった
▪︎外伝メインテーマ曲とてもカッコ良い、振り付けもシンプルかつ力強く印象深い
▪︎出だしの金蟬、見た目の造形はとにかく美しいのに、目の虚ろな死にっぷりよ。この頃の金蟬は『陰』じゃなくて『虚』なんだよね
▪︎金蟬の指先をイジイジする仕草、原作の三蔵の手癖から持ってきた?(鈴木君ならそこまで考えてやってるという信頼度)
▪︎哪吒もかわいい(かわいい)
▪︎子供2人のシーンの膨らませかた完璧。『男児、鼻毛やうんこで5分ははしゃげる』をしっかり描写してくれたのよかった。微笑ましくてずっと見ていられる
▪︎ひたすら振り回される金蟬と悟空との絡みがとてもかわいい。この辺はまだお父さんではなく飼い主的感覚
▪︎名前伝えてひと通り絡んだら一気に興味が別の事に向く悟空、THE幼児。悟空というか鯛造氏の身体能力がサラッとくそエグいがそんなのは皆知ってる。だってあの人ただの悟空だし
▪︎悟空、天ちゃんの扱いが一番手荒いんだけど、この2人とも『マイペースに人を振り回す側』のポジなのでこれくらい雑に扱ってようやく『悟空が天蓬を振り回してる感』が出るのか、と気付いた
▪︎表情と口調の緩急の付け方、重心偏った立ち姿、眼鏡の雑な上げ方までもがパーフェクトな藤原天蓬。すごない…??
▪︎悟空と一緒の時はただの無邪気な子供だったのに、端正な造形かつ葛藤を抱えた顔を見せてくる哪吒。その哪吒を見つめる捲簾の複雑な表情いいですね、男前
▪︎あえて台詞化されたペコちゃん
▪︎捲簾の重たいマイムうまい
▪︎金蟬の「…そうだな」に驚く観音の表情がとてもよい。でもすぐからかい口調に持ってっちゃうの、甥っ子可愛くて仕方ないのね
▪︎汚部屋の軍人コンビよいですね(「クッショ〜ン」の言い方ただのふっきーさんで草)。喋りながらテキパキ片付けてる捲簾とそれを手伝う気すらない(もう別の事考えちゃってる)天蓬。ちゃんとカエル灰皿も置いてあるのが嬉しい
▪︎オレ達ともだち……かわいい……かわいすぎてつらい(原作者もつらい)。悟空がどれだけ哪吒にとって希望に思えたのかを強調していただけてよかった(つらい)
▪︎ぐずった悟空にのしかかられる金蟬の顔好きすぎる。あと、一瞬ちょっと三蔵っぽい口調が出る加減がうまい。鈴木君コミカルな間とかほんとお上手
▪︎天ちゃんの手首もげるほど振り回す悟空めちゃ好き
▪︎八戒とはまったく違う、天蓬の雑でラフな体の捌き方すばらしい。捲簾のイキイキとした感じもよき。平井捲簾はベースが笑顔なので、余裕あって頼もしい男な感じが強調されてる
▪︎ここの天帝が不憫かわいい。歌劇伝恒例の「目が足りない」
▪︎真紅のドレスお似合いな観音様と二郎神の掛け合いよいですね。観音ずっとワクワクしてて上段でノリノリなのお素敵
▪︎『下半身暴れん坊将軍』がのちにミュージカル化するなんて、あの頃の自分は想像もしませんでした(しないわ普通)。悟空が腰フリを真似っこしてしまっているので教育に悪い
▪︎捲簾のパンチがガチ重くて良い。ちゃんと強そう
▪︎三浦さん、毎回原作のコマの絵をそのまま再現した箇所を入れて下さるんだけど、ちゃんと『はじめて4人が揃ったシーン』で持ってきてくれた理解度の高さ
▪︎OPから竜王歌うまっっ!てビックリしたけど本当にお上手、あんなにもお上手なのに、なんてことを()
▪︎全体通して哪吒の表情の作り込みがとても細かいので、配信版で拝見してより美味しい
▪︎引きで見てたら一見わからず、声でやっと気付いた歌劇伝専属女優
▪︎懲罰房のくだりまで来て、捲簾を上半身裸にしてまで原作の必要なシーン・台詞は出来る限り詰め込んでくれてるなぁと感動した。この2人のシーンは後半に効いてくるので
▪︎天蓬の『いい上司だし頭はキレるしギリ大人の態度も取れるけどそれはそれとして短気で無鉄砲(かつ妙な色気はある)』の完全再現あざす……。李塔天の卑しい悪党感が上手くて、より引き立ててくださっている
▪︎男児は鼻毛やうんこで(以下略)
▪︎李塔天さんパワハラのバリエーションが豊か
▪︎観音の「眠るだけ」が良い。悟空・天蓬・観音と、金蟬が変化してゆく足掛かりとなっていく感じ(花見のあたりで捲簾も)
▪︎哪吒に無視された事がしばらく理解できなくて、笑顔が張り付いたままの悟空が妙にリアル。椎名さん上手い
▪︎皆さん仰ってるけど外伝が一番飛び抜けてミュージカル感強い感触。最後に来てなおハードル上げてきてないか浅井さん…!?となった曲
▪︎足にしがみつく悟空を心配する金蟬がもう完全にお父さんの声色へと
▪︎花見回、原作はほんとに時間なくて一晩だけで描き上げたんだけど(おそらく私史上最もハイスピードで描いた漫画なので印象に残っている)死ぬ気で描いた甲斐があったよ、当時の自分よ
▪︎今更だけど今回のセットとはらはら降り続く花びら、幻想的な照明、本当に美しい
▪︎金蟬の表情の機微がうまい。うまいしか言ってないな
▪︎ここで…ここでこの曲を持ってくるのか…………と古くからの歌劇伝ファンは皆泣きそうになった筈だ。悟空の魂は500年後もこの歌を憶えていたんだね
▪︎金蟬と李塔天という父親像の対比がより分かり易い構成。李塔天は毒親というよりDV男のそれだし、哪吒の虚無感しかない微笑みが美しくて悲しい
▪︎ともだちの歌を口ずさみ、刀を突きつけてくる哪吒に精一杯の笑顔で名前を告げる悟空、健気過ぎて胸が痛い(って言ったら椎名さんに「描いたの自分じゃん」と返された)
▪︎哪吒、李塔天が視界に入って一気に動揺するの本当に細かい
▪︎なんだこの惨たらしい話は????
▪︎斉天大聖の動きのキレと重さ、一撃踏みつける仕草だけで頭グシャッた恐怖感煽るのエグい
▪︎悟空と同じ顔なのに斉天大聖は『美形』になるのを三次元で再現してくる椎名さん
▪︎胸から動いちゃってる金蟬のへなちょこパンチが完璧
▪︎捲簾いい顔しますね
▪︎竜王vs捲天の殺陣カッコよーーーー竜王がちゃんと強く、かつ上官として描かれてて良い
▪︎一幕締めの曲の入りがとてもドラマチック。今回のアンサンブルさんコーラス系の曲、不穏な感じがどれもカッコ良い
▪︎捲天のファルセットめっちゃ好きだし、ここで『遊び』を入れてきたか〜と思ったし、金蟬の歌声に決意が宿ったし、哪吒の心の叫びがこんなにも伸びやかなのに誰にも届かないことが切なすぎる
▪︎「明日ありと思う心のあだ桜」…今回の楽曲にあえて『勧酒』を用いずに親鸞聖人の詠んだ句を持ってきているのは、歌劇伝から原作への返歌だと勝手に解釈してる原作者
▪︎メタに上司をいじり倒す軍人トリオ漫才なごむ。捲天の「にへへ〜」なオードリー笑い好き
▪︎下に降りた竜王のステップがシュールかわいいし竜王と李塔天の好き勝手なわちゃわちゃが毎回楽しいし、笑いが堪えきれないアンサンブルさんも可愛いし、このノリを受け入れて拍手してくれるお客さん達も素敵
▪︎竜王の歌のくだり、沁みる素晴らしい歌声も相まってどこも絵面が尊い
▪︎「絶対ダメだ!!」の悟空ここで一瞬、現代悟空と同じ意志の強い目力を見せてきたのが印象的。ああ、この子のちにあの『孫悟空』になるんだなって
▪︎第一小隊ここで出てきてくれてありがとう
▪︎無邪気にはしゃぐ悟空、「一緒」とは歌えない大人組、一歩引いた場所からその4人の姿に感情を動かされてしまった竜王
▪︎無からどんどん色付くように表情が穏やかで豊かになった金蟬
▪︎軍人の『報告』、当時ネーム描いてたら流れで自然に湧いてきたシーンなんだけど、描いて良かった本当に
▪︎歌劇伝ファンの為だけのゲストコーナー、最後までみかしゅんさん本当にありがとうございました。参加してくださった歴代キャスト皆様も本当にありがとうございました
▪︎大千穐楽、唐橋さんがお出になる事を私は知っていたので(出番前にもご挨拶してたので)、登場した時のお客さんの反応が楽しみで仕方なかった。楽屋まで客席の大歓声が響き渡ってた。
ちなみに私もその火災騒ぎで運行止まった新幹線のおかげで会場到着が遅れたんすよ…
▪︎天蓬の刀の殺陣、大胆で荒っぽいのイメージ通り
▪︎床に積もってる桜の花びらが時折いい感じに舞い上がるよね
▪︎まさかの『実験体ナタク達』で一曲。歌劇伝は毎回アンサンブルさん達も重要
▪︎(原作側の話)李塔天の同胞2人はあえてラストバトルまで出番作らず、突然出てきて「え、誰??」みたいな存在にしました。主人公達の物語に集中させたかったのもあるし、金蟬達の視点からしたらマジで「誰だよ?」なんだろうなと思って。物語背負ってるキャラじゃなくて「誰だよ?」な存在に命を脅かされるという
▪︎軍人コンビの目を合わせない背中合わせの別離、美しい
▪︎熊ナタク、映像で見るとややシュールだけど現場だとかなり大きくて割とガチめに怖かった。ただ私が東京で最上部から観覧した時、舞台裏で大人しく出番待ちしてる熊ちゃんが見えててちょっと可愛かった
▪︎天蓬の囮シーンの一連、ただただ「ふっきーさん天才か」と。Burialの辺りからずっとこの方の天蓬が見てみたいとは思ってたけど、特にここの天蓬は原作超えてきたと思った。超えるな悔しいから
▪︎捲簾VS竜王の殺陣すごい、Sunriseの時も思ったけど全体的に、数作前より殺陣の速度が倍速くらいになってる。足撃たれた竜王のリアクションも絵になる
▪︎アクション監督の栗田さんは原作の動きをなるべく踏まえて下さりつつも凄くカッコイイ殺陣付けをナチュラルに繋いでくださるので、天才アニメーターのようだとも常々思う。此方としてはめっちゃ学びがある
▪︎捲簾と天蓬ちょっとカッコ良過ぎんかね
▪︎ここを3シーンの同時進行って発想、構成力すごいな。三浦さん天才だな。天才ばっかりで最遊記は幸せだな
▪︎原作者がなんか語るほど野暮になるシーンなので黙る
▪︎全部ひと息に説明してくれる李塔天、山崎さんのエグい力量のおかげで全台詞しっかり聞き取れるし頭に入ってくるのが凄い。李塔天の口上が上手くないと成立しないシーン
▪︎ここのくだりの悟空、『難しい言い回しや単語の意味は全然分からないけど、空気だけで理解はしていて、でもそこから理解したくない話がはじまって…』という絶妙な表情と目線の動きが秀逸。哪吒もそうだけど子役さんには絶対できない役なので、鯛造君がちび悟空も演じてくれて本当によかった
▪︎金蟬、表情だけでなく殴られた所ずっと痛そうだったりとめちゃくちゃ細かい。倒れる姿すらも美しい
▪︎悟空が絞り出すようにゆびきりの歌を歌い出した演出で「人の心とかないんか?」となった
▪︎語りかける大人組の声音が全員とても優しく暖かいのがもうダメ
▪︎金蟬が悟空を胸に抱きしめたのはこれが最後。本当に大事そうに悟空を扱っていて、全身から慈愛が溢れてる
▪︎刀を扱い慣れている鈴木君が、まったく刀持ち慣れていない・人を斬ったこともなかった感満載のこの演技よ
▪︎なんでかな、悟空の「開けよぉぉぉぉぉぉぉ!!」のドス効いた喚きが一番胸にきた。これ以上ないくらいの必死さが
▪︎金蟬はもう充分に満たされていて、悟空を一人残してしまうことだけが気がかりで、それでも精一杯感謝の思いを伝えて悟空を少しでも安心させたいと必死で微笑みかけているんだなぁという、金蟬の全身全霊での愛のすべてだった
▪︎竜王の歌声、感情乗ってて厚みがすごい。でもちゃんと内容は聞き取れるのがうまい
▪︎うじさんの安心感・安定感。うじさんとみかしゅんさんの存在はメチャクチャ大きかった…
▪︎抱きしめた観音を抱きしめ返してたんだね、悟空。抱きしめ返したと言うより縋り付いたのか、それとも自分を慈しんでくれたものを想って無意識に放したくなかったのか。色々考えてしまった
▪︎語りの最後の方で、窓の外に芽吹いたちいさな蕾を見つけて目を輝かす竜王、演技が細かい
▪︎三蔵が迎えに来るまでは原作通り、そこから更に三蔵一行全員のシルエットが並んだ時に鳥肌立つやつ。ここから『最遊記』が始まるんだという感じ。外伝がラストで良かったと思える、なんと綺麗な締め方
▪︎これは大千穐楽限定ですが、Burialパートで満を持して烏哭の登場ですよ。これはアツい。三蔵一行の頭上で左右に月闇が並び立った時のこの完成感。これぞ最遊記歌劇伝。
▪︎実際それを三浦さんに確認した事はないけど、三浦さんは月闇強火推しだと私は確信してる
▪︎「俺の名前は悟空だ!」泣。ここゆびきりの時と同じ構図じゃないですかヤダも〜泣
▪︎ジープのエンジン音入れてくれてありがとう。近くで存分に看てやってくれ、生命に満ちた花を
▪︎最後の最期の締めは月闇。この2人の太極図感、外伝を通って歌劇伝のオーラスに定番の賭けのやり取りを持ってきた事で、『最遊記』での上位存在感がえぐい。迫力すごい。お見事。
▪︎ED、二郎神がかわいいよ!
▪︎三蔵一行からまた外伝一行に戻してくる早替え、大変でしたでしょうけど感謝
▪︎第一小隊、上司好き過ぎてかわいい。しょっちゅう手振ってる
▪︎ここで楽しそうな子供2人はずるいよねぇ
▪︎歌のラストで。
原作では叶わなかった『金蟬が悟空に手を差し出す』を描いてくれたの素晴らしかった。これぞ舞台ならでは。金蟬がこれ以上ないくらい慈愛の表情浮かべててね。凄いね役者さんって

【事後通販】『最遊記歌劇伝-外伝-』公演グッズ事後通販が決定。取り扱い商品「外伝」公演グッズ全商品※在庫限りとなりますので、売り切れ次第終了の商品もございます。ご了承ください。受付開始日:11/6(月)12:00
【配信】『最遊記歌劇伝』ヘイゼル編3部作ニコ生上映会再放送