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『最遊記歌劇伝-Reload-』、観劇感想。

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まずは歌劇伝スタッフの皆様・演者の皆様、全公演完走本当にお疲れ様でした。
ちょっと立て込んでいて少し間が空いてしまいましたが、毎度ながらのキモい長文感想(かなりの小並感)を書かせて頂きましたのでご興味おありの方だけ、お時間のある時にでもお付き合い下さい。
前回公演は体調不良で生観劇できず悔しい思いをしたのですが、今回は劇場にて9月22日夜の部を観劇させて頂く事ができました。
その後ニコ生のタイムシフトで22日の昼・夜の部を観劇しまして、今回の感想はその2ステージに基づいた物となっております。
そして毎度ながら、原作者でありつつも「ほぼほぼ(最遊記に世界一詳しい)お客さん目線」です。何卒ご了承下さい。




………雀呂を描けという声が聞こえた(幻聴)ので。
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歌劇伝シリーズ5作目となる今回の『Reload』は、難しいと思われていた前回の『burial』よりもはるかに構成が大変だった事と思います。
まずひとつの課題として、歌劇伝2作目『dead or Alive』のラストで洗脳された紅孩児のストーリーに、6年ぶりにケリを付けなければならなかったという事。6年前の『dead or Alive』は今現在の脚本演出の三浦さんや楽曲の浅井さんの手掛けた作品ではなかった為、当時の歌劇伝と今とではかなり雰囲気が異なりますが、それを今の歌劇伝で引き継ぐという課題。
『God Child』『burial』は独立したエピソードで原作自体のボリュームもありましたが、今回は原作の『against the stream(大河編)』をメインに、そこまで大きくないエピソードに肉付けしなければいけなかったという課題。

前回の時も『burial』を演られると聞いて「えっあんな地味なエピソードで大丈夫ですか?」と言ったとお話しましたが、今回も『against〜』だと聞いて「えっあんなライトめなエピソードで大丈夫ですか?」と言ったんですね私。自分の原作が地味だったりライトだったりするのがネックになるのではないかと、勝手に責任を感じてしまっていたのですね。
──────でも実際に観劇したらね、もう「大丈夫ですか?」「いいんですか?」って言うのはやめようと思いました。
心配しなくても私の原作を、歌劇伝の皆さんが必ず上手い事料理して板の上に載せてくれるんだな、と。

【影ナレ】
前回より尺が伸びて一行の「好き勝手度」が上がっているユルユルかわいい前説。
今からニコ生でご覧になる方は数分遡って開演前の影ナレから是非。前回もDVDには収録されていなかったし、これは会場限定のお楽しみ要素なのかなと思うので。

【OP】
開演前からスクリーンに映し出されていた市松模様がチェス板だったと判明する演出がイイですね。
前回公演であれだけ印象付けた「カラス」ダンサーが、烏哭の象徴として度々効果的に登場。
小野田君紅孩児、また出演して下さって本当に有り難い。初期の歌劇伝の「歌劇」を支えてくれていた小野田君、相変わらずどころか更に深みを増した圧倒的な歌唱力。抑制された表現で歌っている曲なのに感情の乗り方が凄まじい。
今回の曲もどれも良いのですが紅孩児のテーマ曲凄く好き。切なさと苦悩が滲むのに高貴で、それが後半では力強く目映くもなる。アンサンブルさん達の表現する「絡み付く業」に翻弄されながらも強い意志を見せて歌い上げる紅孩児のカリスマ的主人公感(※敵です)。

一連のOP、テーマ曲の「生きるだけ」のフレーズを、光を纏った光明がかっさらうこのズルさよ…。
三蔵の銃声が、歌い出しや切っ掛けになってるのがとても効果的で緩急の付け方もカッコイイ。
埋葬編からの『Go to the WEST』に月闇パートが加わるようになって、世界観の陰陽な感じが増してて好き。
『Dead or Alive(砂漠編)』ダイジェスト、今のキャスト陣でも観られたのが嬉しいですね。
全体通して舞台装置(盆)の超有効活用。シリアスな演出にもギャグとしても有効活用。
唐橋ニィ博士の、出て来るだけでコミカルな空気に変えてくれる力が今回全開。そしてそのコミカルさから一転してゾクッとするほどの闇と色気を醸し出すのも全開。卑怯。声色の使い分けと空気をコントロールする間の取り方が卑怯。

【本編】
原作の「前フリ」をも活かした演出にして下さっている細かい配慮。緊張と緩和の扱いが上手い。
演者さん達のアドリブから生まれたという、宿での三蔵一行グダグダシーン。そう、こういう一行が見たかった。
今回メインの戦闘シーン以外は三蔵一行がとてもユルい(紅孩児側が終始シリアスなのに対して)。このユルさといい加減さが三蔵一行のベース。「お前らやる気あんの」ってぐらいダルダルした空気感とコミカルさがたいへんナチュラル。今回の一行は全体的に、とても安心して見ていられる三蔵一行だった。
そして八戒が八戒節全開。前回の『burial』であんなに切なく苦悩していた儚い八戒から一転、完全にフッ切れた今現在の「ちょっと変なおかんセンス」の八戒。『歌劇伝burial』をご覧になってない方は是非この振り幅を確認して頂きたい。ふっきーさんありがとうハイライト

原作の小ネタである『ハヤブサ兄弟』をまさかここまで遊ばせてくれるとは。四兄弟の歌とダンス可愛いよ…。全力で歌のお兄さんする八戒とお歌の子供ノリノリ悟空、やる気はゼロだけど無表情で付き合う三蔵、嫌々な割に逐一ダンスがキレてる悟浄(パラパラ素晴らしいな)、最高に可愛い。人参マイクも可愛いし町民達の後ろでの八戒の手拍子のしかたすき。
「殺せ今殺せすぐに殺せ」の鈴木三蔵の言い方がめっちゃ理想的だし薮睨みの効かせ方も素晴らしい。
全体的に、一行各キャラの動きもバラバラに各自細かいので(どのシーンもだけど)タイムシフトでようやく色々確認できた。

鳥エピソードのお師匠様の歌が美しい…。みかしゅんさん光明の歌声が常に美しい。埋葬編から上手いこと今回のエピソードにお師匠様を連れて来たなぁと感心。
背中に貼り付いた悟空を後ろ足で蹴ろうと足掻く悟浄めっちゃ可愛い。二人の体格差と動きが神がかってリアルに悟空と悟浄。三蔵じゃないけどホントにうるせぇなコイツら(笑)。

沙兄弟のシーン、悟浄の歌声がより切なくて男臭い色気もあってすごく良かった。
原作の一行の掛け合いを活かしつつ、そこに投入されたフリーダム光明さま素晴らしいな。
見ていた誰もが心中でツッ込んだ「近い近い近い」。
光明のこの舞台ならではのポジションに立つのは難しかったとお見受けしますが、ちゃんと光明のド天然な部分とお茶目要素、全部見通して冷静に看守ってる部分との兼ね合いが絶妙。復帰後の歌劇伝からは登場していない観音の役割(台詞)も担ってくれている。三蔵らを看守る目と、烏哭に対する眼差し、この絶妙感にゾクゾクする。
あと三蔵のハリセンは光明という四次元ポケットから出し入れされてたんだと妙に感心した(笑)。

愛弟子には寸止めだったのに烏哭には容赦のない光明のハリセンさばきが美しくて何度見ても吹く。
「遊んでいるのは貴方でしょう」の台詞の重み。
みかしゅんさんがツイッターにUPしていたニイと光明のお写真で「博士が恥ずかしがって背を向けてる」のがあったけど、今の調子こいてる自分を光明に見られたら烏哭はホントにこっ恥ずかしいんじゃないかと思うんだよね。「貴方は今もそこにいる」と言いつつも、今の烏哭の言動は光明がいないからこその形なんだと思うし。
久々の「お呼び出し博士」、さんざおちゃらけた後に突然マジトーンの良い声になるのが心臓に悪いですよ。
「僕ユーレイだから。」で見えない筈の幽霊光明と一瞬視線を交わすのがもう素晴らしいね。素晴らしいね(大事な事なので)。

紅孩児の洗脳後の声のトーンの変貌ぶり。
王老師の凄まじい再現度…。寄って見たらちゃんと動きも表情も細かくロボットしてらっしゃるんだよ、動きが止まってる間は呼吸も感じさせないんだよ。うじすけさん相変わらず凄いよ。
玉面の悪女っぷりいいねー。所作も色っぽい。「この男、殺してみて頂戴」の時にニイが「お~怖」って風に肩竦めてるのもいい。

原作のヘソチラまで完全再現された坤が激しくかわいい。しゅり君これが初舞台との事なのに板の上でも堂々としてて段取りも完璧で凄い。お歌がまたとてもかわいい。
坤の歌に入って来る一行(と腹パンされる悟浄)かわいい。「新しい如意棒だ」「お、ホントだ(棒)」かわいい。ツンデレ三蔵かわいい。子供にもイジられる次郎かわいい。悟空と八戒の仲良し感かわいい。また可愛いしか言ってない。妖怪出て来て咄嗟に坤を庇った三蔵が特にかわいい。
盆を使った演出楽しい。今回の一行は、緊迫したシーンでも根底に余裕がある感じも出てる。なんか船上のシーンを含めて悟浄の喋り方が今まで以上に悟浄らしくて凄く好きだ。余裕のある男の色気と粗雑さとライトさ(とイジられる可愛さ)が初演から格段に増してる。たまに煙草咥えた口を尖らすのもまた悟浄っぽい細かい仕草で凄く良いなぁ。

水中シーン、ニコ生で「白いクリオネ」とコメントした人ゆるさないちょっと和んだ。
光明の歌声だけで「光」を感じさせるこの破壊力。惑いや窮地に陥った時、三蔵の脳裏にずっとこの歌があったのなら、それは心強くもあり、なんて重い光だろうなと思う。
余談だけど公演前の座談会の後に私が「今回水中のシーンとかどう表現するのかなと思ってて」って言ったら鯛造君が「それ愉しみにしてて!」って言ってて、その後も話してて唐橋さんが今回のネタバレしかけるたびに鯛造君が「内緒にしてるんだから言っちゃダメじゃん!」ってツッ込むと唐橋さんが「あっ!」て両手で口塞ぐのが仲良し可愛いかったよ、という中の人達の裏話。

一行の大人面子に対して甘えたな悟空を強調し「こんな時誰々ならどうするだろ」と考える事で、一行の悟空への影響力がより強いものに表現されている。悟空が坤を諭すシーンは、カミサマ編で八戒が悟空を諭すシーンから繋がっているのが、原作よりも分かり易い作りに。
悟空のこの曲の良さが、ここまでのシリーズでの繋がりでどんどん膨らんでいってるね。坤が歌に入って来る所の「おっ!」て振り向く悟空の嬉しそうな顔がいい。原作悟空の頭の後ろで手を組む癖も要所要所で入れてくれてるのがよい。如意棒持ってないと悟空は手持ち無沙汰なんだよね。「お兄ちゃん」をくすぐったがる悟空の可愛さが天元突破。

そして大人組。
(何に対してかは明言を避けますが)誠に大変ありがとうございました。八戒の腹部の傷の再現も細かい技。
三蔵サマの神速キック素晴らしい。こんな動きアニメでしか見た事無い。経文持った手が荒ぶってるのがミソ。そしてこのハードなプレイを生き別れの兄に見られる弟……。
経文を丁寧に日干ししてる三蔵かわいい。
雀呂はなんかもう「卑怯すぎる」のひと言に尽きる。凄い飛び道具感。
原作やドラマCDだとどんどんイジられキャラになっていったのが、歌劇伝ではしょっぱなから全開。全開でざっくん節。
登場からもう笑いが起きてるし、ソワレでは拍手も起きてたし…てか舞台中に二度も個人的に拍手貰ってる雀呂(公演後の影ナレ合わせたら三回も)凄まじい。役者さんご本人がとても真面目に真剣に全力で「あの」雀呂を演じてて下さるのがわかるし公演後真っ先に私の所に来て下さって「あれで大丈夫でしたか…!?」と確認して下さいましたが、大丈夫どころか期待以上のざっくんでした。お客さんの反応がすべてを物語っております。もったいないから悟空とのエピソードも是非舞台で見たいなぁ。
しかしそれもこれもすべて「変なのが来た」で済ませる三蔵と八戒すき。
あと全員に自分の目を見せようと一生懸命前のめりになってる雀呂がなんか愛しい(笑)。

悟空の如意棒の出し方カッコエエなぁ。アクションシーンのスローモーションが特にカッコ良かった、…んだけどまさか後であんなネタのフリになっているとは…(笑)。如意棒での回転キックすげぇ。アンサンブルさん達の動きもすげぇ。相変わらず鯛造悟空の二次元世界より身軽な感じなんなんだどんなバネが体内に仕込んであるんだ。あれが三次元なら二次元はもう少し無茶な動きをさせてもいいのか。
「あもう完っ全にスローモーションに見える」今回一番ツボった声上げて笑った。

雀呂様オンステージ、ロック調にビジュアル系の歌い方といちいちオーバーなポージングがとってもざっくん。
そういえば雀呂の衣装について事前に聞かれたので「テラッテラ素材の服をロックでカッコイイと思って自分で袖と裾をギザギザに切って、カッコイイと思って100均で買って来たチェーンをくっつけた自作の服です」とお伝えしてありました。リアルだともっとゴミ袋っぽくなるかと思ったら舞台上ではイイ感じにダサカッコ良かったです。髪の色も綺麗なアッシュ系で、良かったねざっくんカッコ良くしてもらえて。

映像効果、全編通して劇場ではニコ生よりも幻覚世界がより鮮明に見えていたのでそれが勿体ないけれど、雀呂の歌に合わせて三蔵達が翻弄される所(幻覚ダンサー達に絡み付かれて操られたりもがいたりする様)はニコ生の方がしっかり見えたのでエロか……カッコ良かった。
四角に封じ込められる三蔵らのオリジナル演出が凄く好きで、特に各自閉じ込められる瞬間がとても良い。マチネ映像だと四角映像が消えてもマイム続けてる鈴木三蔵がよく見えるんだけどこういうのも上手くて凄いな鈴木君。なんなの貴方(凄い褒めてる)。
炎どうするんだろと思ってたらちゃんと燃えたし幻覚錫杖も出た。凄い原作再現度。
ふっきーさん八戒は、整った所作も勿論、どんなに荒げてもしっかり品と色気のある叫び声がとても八戒らしくて嬉しいのです。「ただ穏やかに喋る」は出来たとしても、声を荒げた時のこの感じが出せる方はなかなかいない。今回は「緊急時の敬語レス八戒」も聞けて大満足。
しかしここだけ見てると雀呂がまるで強そうだ…!

村人達が塞がった洞窟を掘って光を求めるシーンと、三蔵が水中で光を見出すまでのシーンが被さる演出なのが素晴らしいなぁ。特にニコ生ソワレは2つの映像が被せてあってより効果的でした。
〆る所はビシッと〆てくれるリーダー、鈴木三蔵の低音キメ声がすばらしい。

今回も歌だけでなくBGMがとても印象的で良いですね。
悟空VS紅孩児、「教えっかよ」の悟空の挑発的表情めっちゃイイ。
今回、悟空VS紅孩児戦の一連がとにかく好きです。ズタボロにされた悟空の表情と動き。僅かな怯え、抵抗、絶叫、悔しさ、心の咆哮、自嘲。そして自身の甘えと痛みを吹っ切った悟空の、強く男らしい表情。とにかく熱かった。冷酷な紅孩児と熱い悟空のぶつかり合いが本当にカッコ良かった。「だから、それがどうしたァ!」の片足上げたアッパーがまさに悟空らしくて心底感動した。今ここでこの悟空を鯛造君に観せてもらえてホント良かったです。私の中でも指標がひとつ明確になった感じだ。

あと今回も全体的に衣装が、再現度だけでなく動きを魅せる為に効果的に出来ていて、悟空のマントや三蔵の法衣も原作的には(当時まだ高校生の自分が)「ヒラヒラ動くものがついてた方がアクション映えするだろー」ぐらいの気持ちでデザインした物が、三次元の舞台の上で(演者さんと衣装さん達のお力によって)実に効果的に動かして頂けていたりするのを見て「あーヒラヒラさせといて良かった…」と思わされました。全員の髪型も、あまり無理して漫画風に寄せすぎずナチュラルになってきてますよね。
そして原作のハイタッチ再現であああってなった。描き手として感無量。

…当然原作漫画は、舞台用に考えて描いているわけじゃないから、三次元かつ板の上という状況にファンタジー漫画原作を起こし再構築する事は本当に至難の業だと思います。
今の歌劇伝シリーズに私がここまで敬意を覚えるのは、役者さん達もすべて含めた歌劇伝さんサイドが原作を最大限尊重し再現しようと努力して下さった上で、そこから更に「舞台という表現でどうしたらより面白くできるか」に尽力して、魅せて下さっているから。原作ももっともっと面白く出来るよう頑張らなきゃなーと、それこそ「お前の強さが俺を奮い立たせる」のです。「大事なのはまず応える事だ」と。

今回のメインテーマの『Reload』で戦闘。
この一連のくだりでガムシャラに三蔵一行に突撃していく独角がとても良かった。歌劇伝だと八百鼡の役割もすべて独りで担わなければいけなくて、戦闘も一行相手にたった独りきりで、大変だったと思います。
ニコ生ソワレで完成系のカッコ良さは充分に味わえるので、やっぱり触れておきたい事を。マチネではここから機材トラブル。一切の音楽無しの状況で何事もなかったように堂々とアカペラで歌い出した鈴木三蔵の凄まじい度胸と判断力。それに続く皆様の気迫満点のアカペラ、音の無い世界でのダンス、立ち回り、それに合わせた効果音。ビリビリする緊張感。音楽が無いのを逆手にちょっとタメのアレンジを入れた小野田紅孩児も凄いし、一行の強い強い歌声も熱いし、座長・鈴木三蔵の「ただ光がある限り、そこに」がくっきりと響いて痺れる程カッコイイ。演者さんすべて、アンサンブルさん達の足並みの揃い方も素晴らしい。
…勿論あってはならないミスなのでしょうし、現場の皆様の心労は計り知れませんし、見せたかった完成系ではないのは百も承知。とはいえこの貴重な回の公演がたまたまニコ生で配信されていた事で、カンパニーの結束力と底力を我々も看守る事が出来ました。

復活した紅孩児の爽やかな表情と声がとてもとても魅力的。そりゃ独角も付いて行きますよ。
戦闘あがりの三蔵サマが密かに腰たんたんしててこのジジイ臭さが実に細かい。
まさかの雀呂再登場、劇団ひとりならぬミュージカル独り。持って行くなぁ~。
(面白い物には)なんにでも感動する光明様の可愛らしさ、からの、月闇コンビのターン。烏哭と光明の掛け合いの歌がマジ……この独特の空気にゾワゾワしますな。烏哭を看る時に光明の纏う雰囲気がまた素晴らしい。月に暗雲、のようでもありその実、湖面の冷たい月と、高く哭いてそれを揺るがす烏のような。本物の月ははるか頭上にあるのよ。
セットに映り込むダンサーカラスのシルエットがまた効果的。

「あの時、光が見えた」図らずも烏哭(ニイ)の神経を最も逆撫でするひと言を放つ紅孩児と、それによって珍しく感情を表に出す烏哭。burialの後なので原作よりもそれが分かり易くなっててホント助かります(笑)。
ここの紅孩児の歌が心から素晴らしい、鳥肌。「影が消えてゆく…」で翳した掌の影が、暗雲が流されるように退いて目許に光が射す動作に感動した。ここはゼヒ寄りの画で観て頂きたい。マチネではその紅孩児を見ている独角の微笑みが入っててまた良かった。
ただ……原作『BLAST』2巻の展開の後にこのシーンを観てしまうとメチャクチャ胸が痛い、と読者さんが言いたい気持ちはよく分かります。分かりますが許して下さい。たぶん私の胸が一番痛い。

そして烏哭の例の台詞。「虫みたいだ」。──────『even a worm』へのひとつの布石。

たぶん誰もが思った可愛いのはお前だ悟浄。
「夢見が悪かったんじゃねーの」の言い方もとてもイイ。
そして──────来ましたねー。京訛りのひと言と2つのシルエット。……原作ご存じない方には完全に「??」だとは思いますが…。いや愉しみだ。今回ダラダラわちゃわちゃしていた三蔵一行も、次からは流石にヘラヘラし続けてる余裕が無くなるかと思うとそれもまた愉しみ。その為にも今回の「三蔵一行の一体感」は必須課題だったんでしょうなぁ。

【ED】
一人ずつの挨拶ごとにそれぞれのテーマ曲がかかるとても細かい仕様、流石。お師匠様の動きが最後まで可憐で優美でお茶目。今更だけどアンサンブルさん達の衣装もシャープでカッコイイ。そしてやはり三蔵座長の纏うオーラが、拍手を静寂に変えるほどに強い。
EDでの歌の掛け合いからマッシュアップがGodChildから毎回愉しみなんだけど、今回凄まじかったなぁ。GodChildは一行VSカミサマ、burialは光VS闇だったけど、今回はいくつもの想いが歌で錯綜して駆け昇って行く感じでしたね。両肩で歌う月と闇、迷いを切り裂く希望の光。再装填してここから始まる感。流れてゆく雲を目で追う三蔵と紅孩児の対比が美しい。
曲調の切り替わる瞬間に合わせて悟浄がくるっと錫杖回してタンッてするのすごい好き。悟空の如意棒や三蔵の銃もだけど、各々のマイ武器が身体に馴染んで自在に自然に扱ってる感じが回を追うごとに増してるのが良い。こちらとしても参考になります。

【終幕影ナレ】
美しく穏やかな光明様バージョンと、もう最後までオイシイとしか言えない雀呂バージョンの二種類が存在する豪華仕様(笑)。影ナレでまで拍手が起きる雀呂さんパない。林さんありがとうございました。ニコ生でどちらも聞けますのでゼヒ。

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【ニコニコ生放送(タイムシフトによる視聴)】
◆『最遊記歌劇伝-Reload-』 9月22日 13時公演 視聴会場→コチラから
◆『最遊記歌劇伝-Reload-』 9月22日 18時公演 視聴会場→コチラから
◆ネットチケットの新規ご購入は→コチラから

ネットチケットのご購入期限は2015/10/12(月) 23:59まで。
タイムシフトでの視聴期限は2015/11/11(水) 23:59までとなっております。この機会に是非。

【DVD発売決定】2016年3月9日発売予定。詳細は追ってご報告致します。

【公式ファンブック『最遊記歌劇伝-Road to the WEST-』】2015年11月4日発売
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…あと今回も公演グッズすべて凝ってらっしゃって凄いんですが、中でも桃源郷シート特典の小冊子(写真集)が、原作のイラストやワンシーンを完全再現したデザイン加工でどえらいクオリティーになってて、校正見た時に「えっコレ特典だけに使うの勿体なくないですかいいんですか」って5回ぐらい言った。凄いなぁ、有り難いなぁ。
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今回の公演の前に、レギュラー演者陣の皆様と(完全オフレコ状態で)ひたっすら最遊記について長時間語り合えた時間がたまたまありまして(後で時計見て全員で仰天した)。今この面子がこれだけの想いを持って最遊記の元に集って下さっている事は、ちょっとないような奇跡なんだろうなと思いながら、皆さんのお話を聞いていました。
全員の想いは西へ、この先へ。
もうちょっとだけでも、この縁の続きを看ていたいなぁと。
by nitro_mine | 2015-09-28 00:00 | 仕事関連レポート